

JUMPEI AMANO
@Amanong2
天野潤平。文鳥の世話人。本の編集者。2025年3月からの読書日記(新刊書籍がメイン)。自分の仕事は「はてなブログ」にまとめています。発言は個人の見解です。
- 2026年1月4日
生活の観客柴沼千晴まだ読んでる就寝前読書@ 自宅3月16日まで読む。3月に入って著者のリズムと自分のリズムのチューニングがあってきた感じがする。 〈それぞれの場所で暮らしていても、一緒に生きていると思えることについて〉(44頁) - 2026年1月4日
どこかの遠い友に木村哲也,船城稔美再読編集した@ 自宅今ほど 背中合せに 理解の埒外に 世界がもがいている時は ないでしょう。 (略) むなしいまでに 光り輝いているのは クレムリンとホワイトハウス だけと言います。 (略) 今日も、 私達の頭上を メカニズムのシンボルのような ジエツト機が わがもの顔に 飛翔しているのです。 船城稔美「或る書翰」 - 2026年1月3日
WORKSIGHT[ワークサイト]29号WORKSIGHT編集部,山下正太郎,ヨコク研究所,若林恵,黒鳥社読み終わった読み始めた就寝前読書お風呂読書@ 自宅すでに読んだ記事もあったけど、良い特集だった。コクヨの「生活社史」という取り組みは面白いな。ほか、小原一真「アーカイブされない権利」(国家への不信から住民登録を拒むロマの人びとの話)は特に読めてよかった。 インゴルド「埋葬のように」も読めてよかった。本を編んでいるときにしばしば抱くその感覚がまさに文字になっていた。 〈アーカイブというものも、知識や文化なりを「永遠に生かす」ためのものとして構想されています。「Heritage」というものは、まさにその考えをもとにしたもので、あらゆるものを「ヘリテージ化」することとは、つまりそれを「永遠化」させたいとの願いから出てくるものです。それは死の否定であり、連続性の否定に他なりません。わたしたちは、死を受け入れることでこそ、連続性というものを受け入れることができるようになるのです。/[...]例えば「本」というものも、一冊一冊を墓碑銘のようなものと考えることができるかもしれません。わたしたちは、お墓参りに行くようにして本と向き合い、そこで過去のあらゆる時代の人たちと対話を行うのです。〉(89頁) - 2026年1月3日
入門講義 アニミズム(1094)奥野克巳読み終わった読み始めた@ 自宅「第4章 アニミズム研究の歩み」は専門書で学ぼうと思ったら難しいところがコンパクトにまとまっていて助かった。他の章はどうだろう。帯の惹句(「希望」)は大袈裟すぎると感じるが... - 2026年1月3日
生類の思想藤原辰史読み終わった@ 自宅「Ⅳ たべる」、「Ⅴ まじる」を読む。藤原さんが深い闇と形容する〈食べる主体〉の話、表皮、漏れ、重力の話など、知的な刺激に満ちた一冊だった。自分はこの本をどう解いていけるだろうか。 † 〈畜産の現場が消えていく、というのは[...]殺すことに向けてケアを続ける、という文化の担い手がいなくなる時代が、有史以来、初めてやってくる、ということを意味する。〉(177頁) 〈人間は、相手を食べるわけでもないのに大量に殺し、焼いたり捨てたり埋めたりする珍しい生きものである。〉(188頁) 〈食べものは噛んで飲み込めば終わりではない。飲み込んだあとを忘れてはならない。〉(205頁) † 〈私は、「二酸化炭素」が悪の表象として機能しすぎていることには違和感を拭えない。〉(218頁) 〈資本主義[...]石油資本[...]バイオケミカル産業[...]以上のような、的確なのだが、エリート臭の抜け切れない言葉では、人びとの腰は鉛のように重いままである。もっといえば、これらの噛み砕かれていない言葉もまた、高速回転的な抽象語のマシーンで世界を強引に説明する愚を犯すことになるのではないか。[...]「規則正しくレイプ」をする人間とはだれか。〉(224頁) 〈食べる、食べさせる、舐める、棲む、流れる、ぬぐう、入れ替わる。これらの動詞が相互に乗り入れる舞台である表皮は、つぎつぎに書き割りが変わるような流動的な舞台だからこそ、とらえどころがない。〉(235頁) 〈漏洩は基本的に忌避される。人間は、表向き破れない膜として暮らしている。[...]しかしながら、私たちが「生きている」と強烈に感じるのは、やはり体液が漏れ出し、こぼれ落ちるときだ。〉(243-244頁) 〈人間が棲まわれる存在であるということ、つまり、微生物にたかられる存在であることから、すでにその効力を失いつつある「人権宣言」を作り直すことはできないだろうか。〉(251頁) 〈あらゆる生命活動の「たかる」の原点にあった引力の根本とはなんだろうか。地球の重力である。〉(266頁) - 2026年1月2日
生類の思想藤原辰史まだ読んでる就寝前読書お風呂読書@ 自宅「Ⅲ はぐくむ」を読む。藤原さんの過去作『稲の大東亜共栄圏』や『農の原理の史的研究』を読み返したくなる(なかなかそういう時間は取れないけれど...)。去年初めて裸足歩きを経験した身としても、「土の思想」の問題はかなり重要な意味を持ってきそう。ぼんやり考え続けたい。 † 〈囲いつつはぐくむというhegenに込められた意味を、最大限生かした「囲い」は、まだ真剣に思考されていない。囲いをあまりにも高く設定し、囲いの外で乱暴狼藉を働いたナチスと同じ過ちを繰り返さないためには、流動性のある最低限必要な低い囲いとはなにかについて考えなくてはならない。〉(120頁) 〈思想の根拠として土を思考することは難しい。[...]農でも村でもなく土を思想の中心に据えるのであれば、さまざまな地域の自然現象、社会現象、歴史現象、そして心理現象にその論理をつらぬかなくてはならない。〉(122-123頁) 〈そもそも土のなかは「共同体」だろうか。[...]もっと目的はバラバラで、各々自分たちの生命活動を遂行しているにすぎないのではないか。/ならば、このような適度な距離感をもとに同じ空間に併存する土壌世界と人間社会の相互関係を、道徳の言葉ではなく、説明することはできないだろうか。〉(133頁) 〈歴史の暗部を掘り起こすときにしばしば私が陥りがちなのは、その被害者たちを「抵抗者」という枠組みに押し込むことである。水俣病の患者や運動者たちはいつも闘っていたのではない。なによりもまず、からいもや魚を食べ、日々を暮らしてきた。〉(156頁) - 2026年1月2日
すぐそばにある「貧困」大西連再読編集した@ 自宅SNSで話題になっているこたけ正義感の『弁論』をようやく観た。生活保護の申請同行のあと、その日入れるアパートが決まったのに、それでも約束の時間に来ることができなかったおじさんのこととか、炊き出しの時に見かけた同い年の青年のこととか、20代の前半に出会った名前もよく知らない人たちの顔が思い出されて、くしゃくしゃになってしまった。「いのちのとりで裁判」の本質を伝えつつ、ちゃんとコメディとして笑える内容になってるのがすごすぎた... 思わず昔つくったこの本を開いてしまった。2015年に刊行したこの本の最終章は、まさに2012年の生活保護バッシングについての記録である(10%カットがどれだけ非道な話であるかも当然出てくる)。当時は重版をかけてもらえなかったから、売り切ってそのまま品切れになってしまったけど、あの頃の異様な空気がよくわかると思うので、よかったらその章だけでも読んでみてほしい(電子か図書館か古本で)。私たちはこの10年で何をさらに切り崩してきてしまったのか。 - 2026年1月2日
生類の思想藤原辰史まだ読んでる@ 自宅「Ⅰ わずらう」と「Ⅱ あそぶ」を読み終わる。 いつものことながら、藤原さんのエッセイは読み手を触発してやまない。特にⅡを読みながら、去年担当した友田とん『「手に負えない」を編みなおす』や西本千尋『まちは言葉でできている』(特に栗生はるかさんの章)との繋がりを感じ、とても嬉しくなっている。自然と同じ思想的課題を共有してしまっている。あわせて読んでもらったら刺激的かもしれない。 † 〈私たちがだれかに与えつづけている苦しみは、[急性的ではなく/というより]慢性的ではないか。その苦しみは、農家が少量の毒性のある農薬を散布のたびに肺に取り入れるように、あるいは鉱山労働者が粉塵を日々肺に取り入れるように、徐々に、与えている側がほとんど罪悪感を抱かぬままに、だれかを傷つけていないだろうか。〉(48頁) 〈免疫がうまくいかない時代は[...]「自己する」ことが難しくなった時代なのである。「自己する」とは、自己を動的に保ち、まわりの生類に影響を与えながら自己を変化させることである。自己の境界があまりにも膠着していて、動きがなく、境界領域の「あわい」が直視されていない。〉(58頁) 〈私たちの腸内の延長にすまいは存在するのである。[...]身体もまたすまいであるという視点がないために、ハイデガーの建築を自然と結びつけるプロジェクトは未完のままなのである。〉(65頁) 〈細菌の目線(というものがあればの話だが)からすれば、「いきもの」も「たてもの」も大きく変わらない。[...]「すまうこと」とは「すまわせること」を抜きにして語ることはできない。〉(67頁) 〈家庭科の哲学とはなにか。それは「人間とはなにか」という問いにかかわることである。ただし、家庭科は、「生きる術」を扱う以上、その問いを「なにか」という問いで静的にとらえるのではもったいない。[...]問いは「人間する」という日本語には存在しない動詞について考えることであると私は思う。〉(73頁) 〈人格は形成されるものではない。人の格、つまり、自分というもののあり方とは、鉱物や生物や海や川や泥などにもみくちゃにされて、世界に向けてほどくあり方である。ブロックのように積み上げるものなどないのである。〉(88頁) 〈どうして、私たちは、その[「欠けている」とされる]空白部分を、別の生きものの生活空間、共同生活者の興味関心、新しい表現の空間、そしていたわりの空間が「ある」として見られないのか。空いたスペースに建物を建てることしか関心のない開発者は、どうして、木を植え、アスファルトを剥がすという発想にたどりつかないのか[...]〉(89頁) 〈育てるとは、組み立ていくことではない。子どもに傷がついていくことだ。[...]ヒビが入ったり、穴が開いたり、破けたり、欠けていたりしていきながらも、そこに手当をしていくことこそが、育てることではないだろうか。〉(91頁) 〈人間は文を「作れる」という考えから、少なくとも子どもたちを解放するのはどうだろうか。[...]「作文」にはたわむれが足りない。〉(95頁) 〈「まちづくり」とは、まちの風通しをよくすること、つまり「まちほぐし」なのではないか。[...]「作」や「造」という言葉には、「壊」や「解」という言葉がいつも潜んでいる。〉(99頁) 〈「作者」はすでに初めから解体を始めつつ、「解者」のいる場所から「ワーク」が浮かびあがるのを、あるいはその場から「ワーク」が漏れるのを待つ。〉(108頁) - 2026年1月1日
- 2026年1月1日
生類の思想藤原辰史読み始めた就寝前読書お風呂読書@ 自宅藤原さん、さすが読ませる文章を書かれるな。 〈そろそろ日本の批判精神の担い手は、石牟礼道子に頼りすぎてきたことを、公然とあるいはこっそりと彼女の思想を盗んできたことを私も含めて自覚せねばならない。「生類のみやこ」が失われた感覚さえ失われた時代に対峙する、生類の思想を探らねばならない。〉(36頁) 〈生類の証である血液や涙などの体液は、いつも巨大な力によって犠牲に供された側から大量に流れる、という歴史法則といってもいい冷徹な事実[...]生類全般を際限なく礼賛する思想では、この世にほとんど立ち向かえないと私が考えるのは、たとえば、以上のような修羅場ではガラクタ同然になるからである。〉(42頁) - 2026年1月1日
フェミニズム視点からの在日朝鮮人史ー 植民地主義・家父長制・性差別宋連玉,ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員会読み終わった@ 自宅 - 2026年1月1日
フェミニズム視点からの在日朝鮮人史ー 植民地主義・家父長制・性差別宋連玉,ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員会読み始めた就寝前読書お風呂読書@ 自宅薄い本だけど物凄い情報量の一冊...。第3章まで。 〈在日朝鮮人、特に在日朝鮮人女性は見えない破片のままであり、それをどのように探し出し、繋いでいくかという課題が残されています。私の身近にも封印されたまま今日に至る個人史がたくさんあります。〉(65頁) 〈歴史は完全には消去できない、痕跡を見つけ出すことで、歴史は再構成できるんだ[...]〉(83頁) 〈いまは可視化ができていなくても、深いところで繋がっている植民地主義という地下茎を、探り当て、植民地主義を克服する思想の構築が課題として残されています。〉(83頁) - 2025年12月31日
- 2025年12月31日
- 2025年12月31日
- 2025年12月30日
改訂新装版 旅人伝説宋恵媛,金泰生まだ読んでる就寝前読書お風呂読書@ 自宅「5 なりわい」の2篇、「6 猪飼野再訪」の3篇を読む。6は特に胸を打つ...。宋さんが解説に書いてた通り、とても貴重な痕跡がここにある。 〈金泰生作品に登場する一見ありふれた朝鮮の女性たち[...]は、じつはいくら他の書物を繰っても出会うことができない人々だ。/同時代の日本の女性たちもまた、金泰生の筆以外ではおそらく書き残されることはなかった人々だろう。〉(解説、263頁) - 2025年12月30日
- 2025年12月30日
改訂新装版 旅人伝説宋恵媛,金泰生まだ読んでる@ 自宅「4 わが町」の4篇を読む。この章は格別に好きだなぁ。庶民や動物たち(そしてときに死体たち)が織りなす生のわい雑さ、悲惨さ、可笑しさ、やさしさ、ずるさ。読んでほしい人の顔がいくつか浮かんだ。年賀の挨拶と一緒に共有しよう。 - 2025年12月30日
- 2025年12月29日
改訂新装版 旅人伝説宋恵媛,金泰生まだ読んでる@ カフェ「1 異国の町」の3篇、「2 メルヘンの人」の3篇を読み終わる。作家が(朝鮮人たちが)当時置かれていた状況は当然念頭に置いておかなければないが、人と人とが出会い、コミュニケーションする様を、こんなにもやさしく可笑しさたっぷりに描ける作家が書きつける〈生きていることはただそれだけでも実にすばらしいことだ〉(87頁)の一言に胸を打たれる。小さき生へのまなざしの確かさよ。クスクス笑いながら読んでいる。
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